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抗がん剤とサプリメント・嗜好品との相互作用

押さえておきたい基本的知識

がん患者さんへ服薬指導をしているときに健康食品やサプリメントを服用していいか、尋ねられることがあるかと思います。少し前の文献にですが、がん患者の44.6%が、がんの進行抑制や治療などの目的で、健康食品やサプリメントなどの補完代替医療を行っているとあります。https://ascopubs.org/doi/full/10.1200/JCO.2005.04.126

健康食品やサプリメント、煙草やアルコールとの相互作用により治療効果に影響を及ぼす可能性があるため、薬剤師はこれらの使用状況を確認するとともに、その可否について主治医と検討する必要があると考えます。

添付文書に記載のある健康食品・サプリメント・嗜好品との相互作用

①セイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)

ゲフィチニブ、イマチニブなどCYP3A4で代謝される薬剤との併用により、CYP3A4の誘導により抗がん剤の作用が減弱する。

②グレープフルーツジュース

ゲフィチニブ、イマチニブなどCYP3A4で代謝される薬剤との併用により、CYP3A4が阻害され抗がん剤の作用が増強する。

③ビタミンA

トレチノインと併用するとビタミンA過剰となり、頭痛、吐き気、疲労、皮膚乾燥などの症状が現れる。これは併用禁忌です。

パクリタキセルと併用するとCYP2C8の競合阻害により、抗がん剤の副作用が増強する。

④煙草

エルロチニブ副作用中での喫煙により、多環式芳香族炭化水素によるCYP1A2の誘導作用により抗がん剤の作用が減弱する。

⑤アルコール

プロカルバジン服用中にアルコールを摂取すると、ジスルフィラム様作用(紅潮、悪心、頻脈、多汗、頭痛など)が起こる。

⑥ビタミンB12、葉酸

ペメトレキセド投与におけるレジメンの中でビタミンB12と葉酸を投与することになっており、過剰に摂取すると、抗がん剤の作用が減弱するおそれがある。これについては過去の記事をご参照下さい。

薬剤師
薬剤師

上記のものは一部です。明らかに有害な場合を除いて、患者さんの希望を尊重することが多いかと思いますが、主治医と情報を共有して、患者さんとお話しましょう。上記の薬剤との相互作用で追加情報があれば更新していきます。

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