大腸癌

ねんど工房「TAKUMI」

BRAF V600E変異型 大腸癌の治療について

大腸癌患者さんにおいてBRAF V600E変異は約10%にみられ、右側原発腫瘍および散発性マイクロサテライト不安定性(MSI)大腸癌と関連が指摘されており、また予後不良であるとされています。BRAF V600E変異では、BRAFの600番目のアミノ酸がバリン(V)という必須アミノ酸で、これがグルタミン酸(E)に変異すると、増殖の命令が出し続けられ、がんが無秩序に増殖し続けることになります。V600E変異があるとBRAFの上流にあるRASによる活性化を受けなくても常に単量体で活性化が認められるとされています。このBRAF V600E変異によるがんの増殖経路に着目して開発されたのがBRAF阻害薬です。作用機序をねんど工房「TAKUMI」で作成しました。
切除不能・進行再発の化学療法

切除不能・進行再発の大腸がんの化学療法 (2)

大腸癌の原発部位の違いにより予後や選択される薬剤が異なります。大腸の右側は盲腸、上行結腸、横行結腸、左側を下行結腸、S状結腸、直腸とされています。原発部位が右側の場合、がん細胞の遺伝子変異が多く、増殖スピードが早く、便の水分が多いため早期発見がしにくく、腸内細菌と炎症の関与のことから、左側と比較して予後が悪いとされています。右側の病変にはベバシズマブ、左側の病変にはセツキシマブ、パニツムマブが選択されることが多いです。
切除不能・進行再発の化学療法

レゴラフェニブの服薬指導ポイント

用法用量は、レゴラフェニブとして1日1回160mgを食後に3週間連日経口投与し、その後1週間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。作用機序として、腫瘍の血管新生、微小環境および腫瘍形成にかかわる複数のシグナル伝達の阻害作用による抗がん作用を示します。経口のマルチキナーゼ阻害薬に分類されます。投与開始からすぐAST、ALTやビリルビンの上昇が見られることがあります。添付文書には「重篤な肝機能障害があらわれることがあり、劇症肝炎、肝不全により死亡に至る例も報告されているので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。」と警告の記載がありますので、初めは1週間ごとに来院し、検査値異常の有無を確認しながら投与することになります。患者さんには倦怠感、食欲不振、黄疸などの症状に気がついたらすぐに病院へ連絡するよう指導しましょう。
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レジメン

B-mab+FOLFOXIRI療法

主要評価項目であるPFS中央値は、FOLFIRI+Bevacizumab群9.7ヵ月、FOLFOXIRI+Bevacizumab群12.1ヵ月であり、FOLFOXIRI+Bevacizumab群で有意な延長を認めています(p=0.003)。副次評価項目である奏効率もFOLFOXIRI+Bevacizumab群で有意に良好でした(p=0.006)。しかしOSではFOLFOXIRI+Bevacizumab群で良好であったものの有意差を認めなかった(p=0.054)。追跡期間中央値48.1ヵ月における解析の結果、OS中央値はFOLFIRI+Bevacizumab群25.8ヵ月、FOLFOXIRI+Bevacizumab群29.8ヵ月であり、FOLFOXIRI+Bevacizumab群で有意な延長が認められています。
レジメン

FOLFOXIRI 療法

主要評価項目である奏効率は、FOLFIRI群34%、FOLFOXIRI群60%であり、FOLFOXIRI群で有意に良好であった(p<0.0001)。また、副次評価項目であるPFS(p=0.0006)、OS(p=0.032)のいずれも有意な延長を認めました。 R0切除率は、FOLFIRI群6%、FOLFOXIRI群15%(p=0.033)、肝限局転移におけるR0切除率はそれぞれ12%、36%であり(p=0.017)、いずれもFOLFOXIRI群で有意に良好でした。
大腸癌

FOLFIRI 療法

未治療の進行大腸がん患者を対象としたPhaseⅢの試験です。FOLFIRI→FOLFOX6(n=109)とFOLFOX6→FOLFIRI(n=111)を比較しています。奏功率;1次治療;CR(2.8%)+PR(53.2%);56%(vsCR(4.5%)+PR(48.6%);53.2%;)  PFS;1次治療;8.5ヶ月(vs8.0ヶ月;FOLFOX6,P=0.26),      2次治療;4.2ヶ月(vs2.5ヶ月;FOLFIRI,P=0.003)  2ndPFS;FOLFIRI→FOLFOX6:14.2ヶ月(vs10.9ヶ月;FOLFOX6→FOLFIRI,P=0.64)  OS;FOLFIRI→FOLFOX6:21.5ヶ月(vs20.6ヶ月;FOLFOX6→FOLFIRI,P=0.99)
作用機序

ロンサーフ®(トリフルリジン/チピラシル)の服薬指導ポイント

ロンサーフの作用機序については、過去の記事をご参照下さい。 用法・用量、休薬期間をしっかり理解することが大切 服薬指導はメーカー提供のパンフレットを用いて行います。大切なのは、1回に服用する量と用法です。用法が独特です...
切除不能・進行再発の化学療法

Late line(後方ライン)の抗がん剤治療について

抗がん剤治療において標準治療とされる治療法が確立され、エビデンスに基づいた1次治療、2次治療、3次治療と治療が実施しされています。どこからかがLate lineかという定義が難しい場合がありますが、後の方で行う治療を指していると思われます。Late line治療に臨む患者さんに接する際に私が気を付けていることをご紹介します。
ねんど工房「TAKUMI」

ロンサーフ®(トリフルリジン/チピラシル)の作用機序

大腸がんのLate line治療の選択肢の1つ、ロンサーフ(商品名)(成分名:トリフルリジン/チピラシル)の作用機序をねんど工房「TAKUMI」で作成しました。がん細胞のDNAが複製される際に「チミジン」が「トリフルリジン」に置き換わらせることで、がん細胞のDNAが正常に働かず、細胞分裂が進まなくさせることで、がん細胞の増殖を抑えます。
大腸癌

SIR療法

SIR療法はCPT-11 + S-1療法のレジメンのひとつでCPT-11をday 1に、S-1をday 1-14に投与しday 15-21は休薬するを1サイクル21日ごととした療法です。もしかしたら施設によってはこの療法をIRIS...
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