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レゴラフェニブの服薬指導ポイント

切除不能・進行再発の化学療法

レゴラフェニブの適応は2021年4月時点において、

  • ・治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌
  • ・がん化学療法後に増悪した消化管間質腫瘍
  • ・がん化学療法後に増悪した切除不能な肝細胞癌
  • が承認されています。

このうち大腸癌では3,4次治療としての使用、いわゆるLate line(後方)治療になります。Late lineの治療については過去の記事(Late lineにおける抗がん剤治療について)をご参照下さい。

用法用量は、レゴラフェニブとして1日1回160mgを食後に3週間連日経口投与し、その後1週間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。

作用機序として、腫瘍の血管新生、微小環境および腫瘍形成にかかわる複数のシグナル伝達の阻害作用による抗がん作用を示します。経口のマルチキナーゼ阻害薬に分類されます。

CORRECT試験について

標準治療抵抗性となった切除不能進行・再発大腸癌における有効性および安全性を検証する国際多施設共同第III相比較試験です。適格とされた760例が、Regorafenib群 (Regorafenib + BSC) とplacebo群 (placebo + BSC) に2:1の割合で無作為に割り付けれています。

有効性について

主要評価項目であるOS中央値はRegorafenib群6.4ヵ月、placebo群5.0ヵ月であり、Regorafenib群で有意な延長が認められました (HR=0.77, 95% CI: 0.64-0.94, p=0.0052)。副次評価項目のPFS中央値はRegorafenib群1.9ヵ月、placebo群1.7ヵ月であり、Regorafenib群で有意に良好な結果でした (HR=0.49, 95% CI: 0.42-0.58, p<0.0001)。

有害事象について

発現頻度の高い有害事象としてRegorafenib群では疲労、手足症候群がそれぞれ47%、placebo群では疲労、食欲不振がそれぞれ28%、15%にみられています。また、多くの有害事象が治療の早い段階 (1~2サイクル目) で発現しています。重篤な有害事象はRegorafenib群の44%、placebo群の40%で報告されました。試験中、Regorafenib群の69例、placebo群の41例が死亡したが、増悪によるものがほとんどであり、有害事象に関連する死亡は110例中11例だったとされています。

薬剤師
薬剤師

副作用のマネジメントのポイントは

手足症候群、肝障害、血圧上昇、下痢、甲状腺機能の低下などになります。

手足症候群については、フッ化ピリミジン系抗がん剤によるものと異なる機序で発現するとされています。荷重部に症状がより限局し、水疱形成や過角化を起こしやすく、水疱形成に至った場合などは強い痛みを伴い、歩行障害をきたすことがあります。さらに、マルチキナーゼ阻害薬により、数パーセントの患者に多形紅斑を生じています。投与前に手足の皮膚の状況を評価し、足についてはあらかじめ角質の除去を実施したり、皮膚の保湿を開始します。

投与開始からすぐAST、ALTやビリルビンの上昇が見られることがあります。添付文書には「重篤な肝機能障害があらわれることがあり、劇症肝炎、肝不全により死亡に至る例も報告されているので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。」と警告の記載がありますので、初めは1週間ごとに来院し、検査値異常の有無を確認しながら投与することになります。患者さんには倦怠感、食欲不振、黄疸などの症状に気がついたらすぐに病院へ連絡するよう指導しましょう。

血管新生阻害作用を示し、血圧上昇や出血、蛋白尿、血栓などの副作用についてはベバシズマブと同じ対応となるかと思います。

甲状腺機能の低下が発現することがありますので、投与前の評価と定期的な検査(T3、T4、TSH)を実施するとよいかと思います。倦怠感の原因が甲状腺機能の低下の可能性もあります。

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