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IRIS療法

レジメン

投与後の副作用モニタリング項目(共通)

  • B型肝炎ウイルス再活性化のリスク(HBs抗体、HBc抗体(+)であれば、HBV DNA定量を1回/1~3ヶ月)
  • 内服併用レジメンにおける服薬管理能力の評価
  • 悪心・嘔吐の対策の評価と見直し
  • 用量規制毒性となっている副作用の確認と投与量の調節(血液毒性、非血液毒性)
  • 併存疾患治療薬との相互作用の有無(ワルファリンのコントロールなど)
  • 腎機能、肝機能を考慮した投与量の調節

副作用への薬学的介入ポイント

悪心・嘔吐への対応:IRIS療法は中等度リスクに分類されます。過去の投稿の対応(1)対応(2)をご参照下さい。

口内粘膜炎:投与開始2〜3週目発現しやすい。開始前からの口腔ケアの実施と症状発現時は、局所の治療薬として、軟膏ではトリアムシノロンアセトニド口腔用軟膏、デキサメタゾン口腔用軟膏など、含嗽剤等ではアズレンスルホン酸ナトリウム水和物などを使用する。

色素沈着:投与後2~3週目頃より顔面、爪、手、足などに色素沈着が発現することがある。スキンケアの実施が大切。日光に当たりすぎると悪化するため、日焼け対策を指導する。皮膚や爪の色の変化をカバーするためには、化粧をしたりマニキュアの使用を勧める。

流涙:涙道が閉塞することで流涙が症状とした現れます。不可逆的となることもあるため、症状に気がついたら早期に眼科を受診を促しましょう。

発疹:投与開始直後から2週目での発現が多い。投与を休薬または中止し、対症治療を行う。外用療法として、ステロイド剤、白色ワセリン、ヘパリン類似物質などの塗布を行うとともに、症状に応じて全身療法として、ステロイド剤、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤などの投与を行う。特に発熱を伴う粘膜のただれなどが見られたら、皮膚科へすぐに受診する。

相互作用:S-1とフェニトインまたはワルファリンとの併用によりフェニトインおよびワルファリンの作用が増強されるおそれがあるため、初回投与は特に血中濃度やINRの推移を十分にモニタリングする。

副作用については上記以外のものが発現することもあります。いつもと違う症状に気が付いたらがまんせず申し出ていただくよう指導しましょう。

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