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この症状はコロナ?抗がん剤の副作用?

押さえておきたい基本的知識

新型コロナウイルスの症状を説明した米国疾病予防管理センター(CDC)からのポスターです。新型コロナウイルスに感染した患者さんが、味覚障害を訴えていると聞いて、抗がん剤による味覚障害や嗅覚障害のことを連想しました。

新型コロナウイルス感染症COVID19診療の手引きには、上記のように経過について書かれています。症状が発現する順序って決まっているのしょうか。抗がん剤治療を受けている人で、味覚障害や発熱、下痢を訴えるひとがいますが、新型コロナウイルスによるものか、抗がん剤によるものか鑑別はどうしたらよいでしょうか。

COVID-19の症状の発現をモデル化した論文があります。以下その論文について紹介します。

患者データは、COVID-19、インフルエンザ、MERS、およびSARSにおける症状の頻度に関する様々な文献から収集した。各データセットは、症状の順序を近似したり、結果を確認したり、COVID-19またはインフルエンザの最初の症状を分析するために使用した。これらの妥当性のすべてについて、報告された患者データを使用して、経験した様々な症状の組み合わせを持つ患者をシミュレートし、シミュレートされたデータを適用して分析した。世界保健機関(WHO)のCOVID-19患者の主なデータセット:55,924例。2020年2月16日から24日までに発生した中国の感染者のいる地域への訪問による国および地方政府のレポートと観察のレビューを通じて得た。1,099例のCOVID-19患者のデータセットは、COVID-19と診断された入院患者および外来患者の医療記録および他のまとめられたデータから、COVID-19のための中国医療専門家グループによって得られた。このデータは、2019年12月11日から2020年1月29日まで中国の国家保健委員会に報告された。両方のCOVID-19データセットについて、筋痛は筋痛または関節痛として報告された。我々は、ほとんどの患者が関節痛を有すると仮定し、したがって、データをシミュレートする際に筋痛の頻度として筋痛または関節痛の頻度を使用した。

論文の内容をまとめると、症状の発現順序は

になっていたとのことです。発熱がやはり1番最初でしたね。毎朝、仕事や学校などに出かける前に検温し問題ないことを確認することは、感染を広げないために重要だということがわかります。この中には味覚障害がないため、その点についてはデータに基づいたコメントは差し控えます。もちろんこの順序どおりに症状が発現しない場合もあり、無症状の場合や味覚障害だけで感染が終息する場合もありますので、一つの参考としてみるのがよいかと思っております。

抗がん剤の治療状況、投与してからの経過日数などより、抗がん剤による骨髄抑制のため発熱しているのか、コロナによるものか、何となく想像することはできます。味覚障害についても徐々に味覚の異常が発現するのが抗がん剤によるもので、電気が消えたときのように急激に味覚がなくなるのがどうやらコロナによるもののようです。

しかし、判断を誤ると感染を広げてしますことになります。先日参加したCOVID19に関する勉強会で、コロナであると疑わしい場合は、例え過剰対応になってもよいから、今はPCR検査でしっかり感染の有無を確認するべきだとおっしゃられておりました。院内感染やクラスターを起こさないためにも、しっかり評価していきたいですね。

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