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抗体薬物複合体 トラスツズマブ デルクステカンの作用機序 

ねんど工房「TAKUMI」

抗体薬物複合体(ADC:Antibody Drug Conjugate)とは、抗体と薬物(低分子化合物)を適切なリンカーを介して結合させた薬剤で、がん細胞に発現している標的因子に結合する抗体を介して薬物をがん細胞へ直接届けることで、薬物の全身曝露を抑えつつがん細胞への攻撃力を高める効果を期待した製剤です。

トラスツズマブ デルクステカンは、HER2蛋白を目印にデルクステカンをがん細胞へ直接届けて効果を発揮します。デルクステカンはトポイソメラーゼⅠの阻害作用を有します。

トポイソメラーゼⅠ阻害薬は、DNA二本鎖の一本だけを切断し、その間を一方の鎖を通り抜けさせた後、二本鎖を再結合されて二重ラセンのよじれを解消する働きをするのを阻害しすることでがん細胞の増殖を抑えます。

デルクステカンの抗腫瘍活性はイリノテカンの約10倍とのデータがあり。通常、抗体1分子に対してペイロード(薬物)は2~3個だが、トラスツズマブ デルクステカンは7~8個の薬物が結合可能で、リンカーとペイロードとの結合が血中で外れにくいとされています。がん細胞の中で特異的にリンカーが切断されるため、理論的に正常細胞に影響を及ぼしにくく、副作用が少なくなるといった特徴があります。

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