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ARONJ(骨吸収抑制薬関連顎骨壊死)への対応

押さえておきたい基本的知識

ビスホスホネート製剤や抗RANKL抗体を投与中のがん患者さんが、抜糸や歯科治療を行うことで、ARONJのリスクが高まるとされています。顎骨壊死に関するポジションペーパーが日本口腔外科学会から、重篤副作用疾患別対応マニュアル(骨吸収抑制薬に関連する顎骨壊死・顎骨骨髄炎)が厚労省から出ておりますので是非、ご確認いただければと思います。

ARONJを予防するポイント

がん薬物療法を開始する前に、口腔内の評価や必要な歯科治療はすませておくとよいです。がん薬物療法が開始すると好中球減少による感染症のリスクの増大や血小板減少による出血のリスクが増大する可能性がありますので、事前の対応が重要です。

歯科治療中に注意すべき薬剤

 ビスホスホネート製剤:ゾレドロン酸、パミドロン酸、アレンドロン酸、イバンドロン酸

 抗RANKL抗体製剤:デノスマブ

併用薬に注意

 血管新生阻害薬、ステロイドと併用するとARONJのリスクが上がるとされておりますので、これらの薬剤を使用する際には、顎骨壊死の発現がないかモニタリングしていきましょう。

患者さんへの指導のポイント

がん薬物療法の開始前に必ず「虫歯の治療はしていませんか」「歯や入れ歯で不都合なところはありませんか」と具体的に聞いてみましょう。

もともと骨粗鬆症などでビスホスホネート製剤を使用していたり、がん薬物療法開始後ににビスホスホネート製剤や抗RANKL抗体製剤を使用する可能性がありますので、事前に確認してスムーズにがん薬物療法が導入できるよう対応しましょう。

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