ATTRACTION-2試験をご紹介します。少なくも2つ以上の標準化学療法が不応または不耐の切除不能進行・再発胃癌および食道胃接合部腺癌を対象とした多施設共同(日本・韓国・台湾の3ヵ国で実施)プラセボ対照二重盲検無作為化第III相試験です。3rdライン治療になりますので適格症例493例がニボルマブ群とプラセボ群に2:1の割合で無作為化された、プラセボ対象試験になります。
有効性について
主要評価項目である全生存期間(OS)の中央値はニボルマブ群5.26ヵ月vs. プラセボ群4.14ヵ月、12ヵ月生存率はニボルマブ群26.2%(95% CI: 20.7-32.0%)、プラセボ群10.9%(95% CI: 6.2-17.0%)であり、ニボルマブ群で有意な生存期間の延長を認められました(HR=0.63、95% CI: 0.51-0.78、p<0.0001)。
副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)の中央値は、ニボルマブ群1.61ヵ月、プラセボ群1.45ヵ月であり、ニボルマブ群で有意な延長を認めました(HR=0.60、95% CI: 0.49-0.75、p<0.0001)。
サブグループ解析においても、日本人(計226例)においても、OSの中央値はニボルマブ群5.4ヵ月、プラセボ群3.6ヵ月とニボルマブ群でOSの延長を認めています。
有害事象について
Grade 3以上の有害事象はニボルマブ群/プラセボ群において、10%/4%に認められ、そのうち死亡につながる治療関連有害事象はニボルマブ群2%(急性肝炎、心停止、原因不明の死亡、労作時呼吸困難、肺炎)、プラセボ群1%(消化管穿孔、突然死)で認められています。治療中止につながる有害事象はニボルマブ群3%(間質性肺疾患、急性肝炎、心停止、原因不明の死亡、労作時呼吸困難、筋力低下、肺炎)、プラセボ群2%で認められたとのことです。
おおむねこれまでの免疫チェックポイント阻害薬の有害事象irAEと同じかと思います。IrAEへの対応については過去の記事をご参照下さい
3rdライン以降ということもありプラセボを対照として、ニボルマブの有効性が認められましたので、胃癌治療ガイドラインでは3rdラインの推奨レジメンとして、ニボルマブを投与することは推奨グレードAの記載があります。
臨床試験での患者はPSが0~1でしたので、実臨床でPS2での有効性、副作用について注意深くモニタリングする必要がありますね。
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