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抗がん剤治療に伴う心障害

心障害

がん治療は日々進歩していて、患者さんの生存期間が飛躍的に伸びてきているなと感じている一方で、これまでになかった副作用が発現したり、患者さんがイメージしていた悪心・嘔吐や感染などの副作用と異なる症状、例えば心障害などを引き起こし、QOLを低下させたり、時には致死的な心毒性を併発することがあり注意が必要です。

心機能に影響する薬剤として有名なものにアントラサイクリン系抗がん剤があり、これは心筋障害(タイプ1)、トラスツズマブによるものは心機能不全(タイプ2)と分類されます。

抗がん剤治療に伴う心不全に対しては、事前評価と早期発見、早期治療が重要であり、近年では腫瘍循環器学として着目され、心血管系のモニタリングの重要性について知られるようになってきています。

アントラサイクリン系抗がん剤による心筋障害(タイプ1)の臨床的特徴は不可逆性で、用量依存で蓄積性があり、時に重症化して予後不良となることがあるとされています。アントラサイクリン心筋症で心機能低下には活性酸素種、ミトコンドリア内の鉄蓄積、Topo lIβを介したDNA障害が関与しており、加えて心筋収縮に関する遺伝子発現の低下、細胞内カルシウム動態の異常、酸化ストレスに対する防御機構の破綻などが不可逆的な心筋傷害に関与するとされています。

トラスツズマブによる心機能不全(タイプ2)は可逆性で用量依存性がなく、再投与においても比較的安全性が高いとされています。HER2受容体はneureglin-1(NRG-1)をリガンドとして細胞保護的なシグナルを細胞内に伝える重要な役割を果たしており、心筋細胞においても血管内皮細胞由来のNRG-1が近傍の心筋細胞のHER受容体へとパラクライン作用を発揮し、心機能に重要な役割を果たしているため、トラスツズマブは心機能に影響を与えるようです。

患者さん
患者さん

心臓が悪くなると、呼吸困難、動悸、チアノーゼ

浮腫み、体重増加などが起こるー

薬剤師
薬剤師

心機能が低下しないようにするための注意点や

低下がないかどうか確認するための対応について

この後、お伝えしたいと思います。

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