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ケモコンボの副作用の考え方

免疫チェックポイント阻害薬

肺がんの非扁平上皮がんに対するケモコンボ療法の試験結果がKEYNOTE-189試験です。ペムブロリズマブを併用したほうが生存期間が有意に延長しているとの結果ですが、有害事象はどうでしょうか?

KEYNOTE-189試験の論文を読みますと、一般的に発現する有害事象の頻度が上昇することはなく、過去のペムブロリズマブ単独療法における免疫関連有害事象の頻度と同等。すなわち従来の有害事象と免疫関連の有害事象の足し算ではないかと考えられます。例外として、腎炎と急性腎障害が挙げあれ、これは腎排泄型のシスプラチン、カルボプラチン、ペメトレキセドとの併用の影響かと思われます。

患者の10%以上で発現した有害事象において、下痢と皮疹はキイトルーダ併用で有意に発現している結果は、なるほど免疫チェックポイント阻害薬(ICI)による特徴として、そのとおりだなと思われます。

私が思うにケモコンボ療法でirAEか否か鑑別が難しい有害事象として、皮疹、下痢、腎障害、神経障害などがあげられます。

そのうちの皮疹・掻痒感について考えてみます。皮疹など皮膚障害を起こしやすいレジメンかどうか、添付文書をもとにした頻度では、カルボプラチン、ペメトレキセド、アルブミン懸濁型パクリタキセル、ペムブロリズマブが比較的高いです。

四国がんセンター編 分子標的薬を中心とした皮膚障害 診断と治療の手引きから、がん薬物療法による急性期薬疹への対処法フローチャートを示しております。これは主にEGFR関連阻害薬、例えばエルロイニブやパニツムマブなどによる薬疹発現時の対応方法を示しているものと思われます。これを参考にICI使用時の皮疹について考えてみます。チャートに従いますと、発熱、粘膜疹を伴うかがで大きく分かれます。はいであれば、SJSやTENの可能性があり、いいえであればステロイド外用薬、抗アレルギー薬の投与となり、改善の有無により抗がん剤の投与の可否が判断されるという流れです。irAE性の皮疹でG1-2に改善すれば、この分類に入り、継続投与になるかと思われます。

私見になりますが、皮疹、掻痒感が発現した場合、irAE性でG1-2であればステロイド外用剤±抗アレルギー薬など併用し、ICIは継続。

非irAE性でペメトレキセドが被疑薬:ステロイドを内服(day0~2)

CBDCA、CDDPが被疑薬:中止または抗アレルギー薬追加し投与、8サイクル頃以降にも注意。しかし実際にはどちらも考えられるとなるかもしれません。その場合はG1-2に改善した上で、抗がん剤は有益性投与。ステロイド外用剤±抗アレルギー薬で、アナフィラキシーや SJS、TENまたはG3の皮膚障害の発現に注意し、モニタリングを継続することが重要であると考えております。

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